違いがわかるようになるために
病院と他の医療機関との違い
数種類ある医療施設
医療施設と聞いてまず浮かぶのが「病院」だと思います。しかし医療施設の中でも様々なものがあり、クリニックや医院といった小規模のものもあれば、総合病院や特定機能病院などの大きな病院や高度な医療技術を提供しているものもあります。ここでは病院と診療所の違いについて解説します。
病床数の違い
病院と診療所は医療法によって明確な線引きがされています。その内容が病床数の違いであり、入院できる患者さんが19人以下か20人以上かという点によって分けられています。ここが病院と診療所の最も大きな違いと言えるポイントで、病院は20人以上が入院できる施設を有している医療施設で、診療所は入院できる患者さんが19人以下と定められています。
提供する医療
そして提供している医療も病院では緊急搬送に対応したり、がんや難病といった重症の患者さんへの対応が優先されています。診療所では地域のかかりつけ医といった役割を持っているため、風邪や比較的軽度な疾患を診察する医療を提供することが多いです。
医師の人数
病院と診療所では医師の人数にも違いが見られることが多いです。病院では最低でも3人以上の複数の医師を必要としていますが、診療所では人数に制限がないため医師が1人であることが多いです。人数に違いが見られることが多いと表現したのは、診療所でも3人以上の医師がいることもあるため人数だけでは明確な違いとはなりません。
では病院と診療所の医師の数による明確な違いですが、患者さんに対応する医師の数で明確な違いを見ることができます。病院では医師1人が受け持てる患者さんの数に制限があり、入院している患者さん16人に対して1人、外来で訪れる患者さん40人に対して1人までとされています。一方診療所にはこの制限がないため、極端な例を挙げれば患者さん100人を1人で受け持つこともできます。
特別料金
病院と診療所は2016年の診療報酬改定によって初診料は一律2820円となっています。そのため初めて病院や診療所で診察を受ける場合にはどちらも初診料金は同じとなります。しかし大きな病院では特別料金が加算されることもあるため、この部分も病院と診療所の違いと見ることができます。
特別料金は2016年4月から特定機能病院や病床数が5000以上ある地域医療支援病院で義務化されており、5000円以上で病院が設定した額となっています。特別料金は全額自己負担となるため、大きな病院で診療するかどうかの判断をするためにまずは診療所で診察をしてもらうのが一般的です。